其特異者(その特異なるものなり)(「草木子」)
変わったやつはいるものです。

変わったやつはこんなのに入れられて、宇宙のかなたから飛ばされてくるんですよ。
・・・・・・・・・・・・・・・
甲午・乙未の間、ということは、元の至正十四・十五年(1354~55)で、もう江南は群雄割拠の時期ですが、
河北山東多隕石。
河北・山東に隕石多し。
河北や山東には、隕石が多かった。
だそうなんです。
大或如屋、陥深入地丈余。
大いさあるいは屋の如く、陥深して地に入ること丈余なり。
でかいのは家ぐらいの大きさのが落ちてきて、一丈(3メートル強)以上も深く地中に入り込んだこともあった。
中でも、
洛陽有大星隕地、滾行数十丈、草木皆焦。北抵山石、其土石皆融液而流。
洛陽に大星の地に隕つる有り、滾(たぎ)り行くこと数十丈、草木みな焦げたり。北のかた山石に抵り、その土石みな融液して流る。
洛陽に落ちたでかい星は、落ちたところからどろどろになって100メートルぐらい移動し、その間の草は木はぜんぶ燃え焦げた。そのまま山の岩石に至って、その岩石や周辺の土はぜんぶどろどろに溶けて流れた。
ところがこの星は、
須臾復望西飛去。
須臾にしてまた西を望みて飛び去れり。
すぐにまた、(かたまりになって)西の方に向かって飛んで行ってしまった。
此又其特異者也。
これまたその特異なるものなり。
これは、隕石の中でも特別に変わったものである。
これはほんとに隕石だったんでしょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
元・葉子奇「草木子」巻之三上より。これらはすべて元朝崩壊の予兆だったようなんです。こんな隕石来ないから、わが国はまだまだ大丈夫、どんとこい、だ。
それにしても、どんなところにも変わったやつがいます。四十年も経つと変わったやつの方のことをよく覚えているものだ。
コメントを残す