8月30日 みんな起きている会議でも独り眠る

忍独為醒(忍びて独り醒を為す)(「唐人絶句精華」)

みんなと違ったことはせず、みんなと一緒ぐらい食べているだけなのに。

ひとりふたり眠れども会議は死せず、じゃ。

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王績は隋代の賢者「文中子」こと王通の弟で、隋の末に召されて秘書省正字となったが、求めて地方官に転じた。

性嗜酒、不任事、未久、棄官還里。

後、唐の初期にまたよびだされたが、この時は太楽署史の焦革の家が善い酒を醸すというので、同署の丞(次長)となった。焦革が死ぬとただちに辞職して帰郷した。

彼が飲み屋の壁にかきつけた詩。

此日長昏飲、非関養性霊。

眼看人尽酔、何忍独為醒。

だから、おれはいつも酔っぱらっているのだ、という論理展開です。

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唐・王績「書酒店壁」近人・劉永済編「唐人絶句精華」(1980人民文学出版社)より)。この本の編集は毛沢東からも応援を受けたのだそうです。

戦国・楚の屈原は、

衆人皆酔我独醒。

と嘆いて、汨羅の淵にどぶんぶくぶくと自ら沈んでしまった(「漁父辞」)のですが、それを逆用しているわけです。屈原的なものも嫌いではないですが、王績の生き方で十分ですよね。

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