8月21日 苦しいときの無意識頼み

似非恒人(恒人にあらざるがごとし)(「魏武侯集」)

朝顔の花に水をやったりするかっこいい老人になるはずが、毎日なにものかに追われるこんな生活になってしまうとは。どうすればいいのか、賢者さまに聴いてみなければなりませんかも。

無為無策に暮らすといいかもじゃよ。

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昨日の続きです。秋、えびすの国に旅するひとの歌。

有何三老公、卒来在我傍。

「三老公」は「三人の老人」ではなく、「地域の指導層である「三老」に就任しているような賢者」と読んでください。

負揜被裘、似非恒人。

謂卿云何、困苦以自怨。

そして、

徨徨所欲、来到此間。

歌以言志、有何三老公。

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後漢・曹操「秋胡行」(秋のえびすのうた)其二。この老人のまぼろしは、一昔前に大いに流行った(わしも随分嵌っておりました)ユング心理学の「オールドワイズマン」です。人生の危機において、無意識の中から「元型」(一定の文明に属する人間が共有する意識の型)として現れ、自己の進むべき方向を指示してくれる老賢者です。自己の賢い部分の投影だから、みなさんの中にもいるんですよ。ユング心理学は男女は違う元型を持っているという思想なので、心が男性の場合はじじい、女性の場合はばばあ、が出て来るはず。みなさんは出てきたことありますか。次回は、曹操さまがこのじじいと会話するぞ。

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