8月18日 暑いのに扇風機で寝るのは憂い事だ

非楽論(楽を非とするの論)(「墨子」)

エアコンのある部屋もあるんですが、そこ(書斎(笑))は寝られる状態ではないだけです。

おれたちエイサー三人衆。おれたちは間違っているのか?

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去年も春先にこのお話をしたことがあるかと思いますが、大事な話なので何度でもするんですよー。ぼけてきて忘れているのではありません。ほげほげ。
紀元前の戦国の時代のことですから、現代は知りませんが、むかしは、

民有三患。飢者不得食、寒者不得衣、労者不得息、三者民之巨患也。

みなさんの政府は、この三つからみなさんを守ってくれていますか。

ここまでは「大事な話」です。「むかしの人は大変だったんだなあ」などと、ここまではみなさんも首肯できることでしょう。ここから先は案外どうでもいい話だ。

・・・子墨子(墨子先生)はさらに付け加えて言い出した。

嘗為之撞巨鐘、撃鳴鼓、弾琴瑟、吹竽笙、而揚干戚、民衣食之財、将安可得而具乎。即我以為未必然也。

「干戚を揚げる」だけ解説がいるかと思います。「干」は「盾」。「戚」は「まさかり」。防具と武具です。古代の兵士たち(すなわち武装を許された自由民や民衆)は、この二つを手にして、音楽に合わせて舞を舞う。「揚げる」は手に持ってあげたりさげたりして踊ることを言っています。原始の舞踊です。

「みんなが楽しく歌ったり踊ったりしているときに、なんでそんなこというんですか」
と感情論を以て反論しましたが、墨子先生はさらにお続けになった。

抑舎此、今有大国即攻小国、有大家即伐小家、強劫弱、衆暴寡、詐欺愚、貴傲賤、寇乱盗賊並興、不可禁止也。

さて、そこで、

然則若為之撞巨鐘、撃鳴鼓、弾琴瑟、吹竽笙、而揚干戚、天下之乱也、将安可得而治与。

姑嘗厚籍斂乎万民、以為大鐘鳴鼓琴瑟竽笙之声、以求興天下之利、除天下之害、而無補也。

「むむむ」

論破されました。

墨子先生の勝利宣言だ、

是故為楽非也。

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「墨子」非楽篇より。有名な墨家の「非楽論」(音楽否定論)です。この前に少し前段があって、音楽は(君主の)楽しみのためにするだけで、楽器を造ったり楽師を育てたりすることで産業振興を邪魔してしまうし、民衆からそのための税金を取らねばならないので、民衆が困るではないか、とまっとうなことを言っております。

「いやしかし、君主が一人で楽しむのでなくそれを武士や民衆とともにしようとするならいいのではないか」と思うと思いますが、そんなことを言いますと去年は紹介していない後段で、また論破されます。しかしそれはまた次回。そのうち。涼しくなってからにしようかなー。

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