8月15日 今年ももう終わりが近づいてきました

故友之風味(故友の風味)(「東坡志林」)

お盆も終わりました。お盆の行事もしてませんが、あちら側に行く準備もまだ整っていません。だが、間もなくなのは確かだ。どのにゃんこが迎えに来てくれるのかにゃー。

おれはこちらではかなりの顔にゃぜ。おれほどのネコが出迎えにはいかんにゃろ。

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宋代のことですが、

吾故人黎希声、治春秋有家法、欧陽文忠公喜之。

そういう才能はあったのだが、

然為人質木遅緩、劉貢父戯之為黎濛子。以謂指其徳。

「濛」は水蒸気が「もうもう」とするの「もう」です。ぼやけてしまっている、というような意味です。「子」は男子の尊称。

一日聯騎出、聞市人有唱。是果鬻之者、大笑幾落馬。不知果木中真有是也。

「黎濛子」と同じ発音の「檸檬子」は、そのころ南国から入ってきた新奇な果物でした。もちろん、現代の「レモン」です。

ああ、あの時は楽しかったなあ。

さて、あれから何年が経ったであろうか。わしは白髪の老翁になった。

今吾謫海南、所居有此、霜実累累。然二君皆入鬼録。

さて、

坐念故友之風味、豈復可見。

「古い友人の味わい」は如何なる味か。

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宋・蘇東坡「東坡志林」巻一より。鬼録に入ってしまうとしばらく戻ってきません。あちらはいいところなんでしょう。お盆でも来てるかどうか・・・、こちらから行く方が早いでしょう。

ちなみに、東坡より数世代あとの南宋の石湖先生・范成大が、広州地方の名産や風俗をメモした「桂海虞衡志」によりますと、

黎朦子如大梅復似小橘。味極酸。

そうです。そりゃそうでしょうね。

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