8月1日 誰かが見ていてくれる?監視している?

茶一瓮相餉(茶、一瓮(おう)を相餉(あいおく)るのみ)(「分甘余話」)

今日は推薦してもらって、フランス料理店の会合に出させていただく。有名なお店なので居眠りせず、目をぎらぎらさせ、食器をがちゃがちゃさせて食べました。会合の中身はわかりません。推薦してくれた人にお礼を言わないといけないのかな。

おれが推薦してやったんだなどとウソをついてはいけません。

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清の時代のことです。

余在九卿時、薦挙人才甚多、率不令其人知之。

「九卿」は廟堂を構成する九人の大臣、の意ですが、実際にはずっとこの九ポスト、と決まっているわけでもなく、「政府のすごい高官」ぐらいの意味に考えてください。

わざと知らせる人もいたんだそうです。

故時有冒竊居功者、聞之一笑而已。

例えば、・・・・

と、ずらずら固有名詞を挙げてくれていますが、おそらく当時のえらい人だと思うんですが現代人にはわからないので、省略。

蓋不下十余人、至今屢被遷択尚有不知者。

(教えてないんだからそうなるでしょう、と言いたくなるかも知れませんが、ぐっとガマンして話を聞きましょう。)

北宋の徽宗朝に、新旧両法党の融和を図った宰相の蘇頌がこんなことを言っている。

平生薦挙不知幾何人、惟孟安序朝奉歳以双井茶一瓮相餉。

と。

古今一也。要視其出於公、出於私爾。聞往昔薦一人有酬謝不訾者。

そうですか。

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清・王士禎「分甘余話」巻二より。なるほど。わたしを推薦しても推薦者の利益になるはずないので、「公の利益」のために推薦されたと推測されます。したがってお礼は言わなくていいに違いありません。

王士禎は「清朝一代の正宗」(清代を通じての代表的な正統派)といわれる大詩人で、康煕朝に刑部尚書にまでなりましたが、刑事事件の裁きに失敗したことの責任を問われて引退し、晩年、多くの随筆を書いたひとです。当時の人気作家らしく、この本、最晩年とはいえ、生きている間に出版されています。

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