南火北水(南は火、北は水)(「土風録」)
お相撲さんではないのです。

欲しいものを並べだすときりがない。
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現代チャイナ語で「商品」のことを「東西」(トンシー)といいますが、この由来はかなり古く、宋の神宗皇帝が王安石に、
市中貿易何以不曰南北、而曰東西。
市中の貿易、何を以て南北と曰わずして東西と曰うや。
市場で物を交換するとき、どうして(交換する対象を)「南北」と言わずに「東西」と呼ぶのであるか?
とお訊きになったという記録があります。
王安石答えて曰く、
当取東作西成之意、言東西則南北可該。
まさに東に作(おこ)り西に成る、の意、東西を言えばすなわち南北該たるべし。
(太陽は東から出て南を通って西に沈み、北を通ってまた東に上る。)何事も東に起こり始めて西に完成することから、「東西」と言うのです。「東西」と言えば、その間に「東南西北」の「南」と「北」も(通過するのですから、)含まれるともいえます。
と。ちょっと苦しいかも。ただ、これから、
宋時已有此称。
宋時すでにこの称有り。
宋の時代には、もうこの「東西」という言い方があったのだ。
ということがわかります。
明の蓮池禅師が言ったという、
南為火、北為水。水火無求于人、故不言南北。
南は火たり、北は水たり。水火は人に求むる無し、故に南北と言わず。
「易」によれば、南は「離」(≒火)、北は坎(≒水)を象徴する方角とされます。水と火は、交易で人に求めるものではありません(求められたら対価無く提供すべきものです)。それで、交易の対象は「東西」と言い、「南北」とは言わないんです。
の方が本当っぽいかも。
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清・顧張思「土風録」巻九より。勉強になりました。なんでこんなに勉強になるんだろう。
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