回頭早耳(回頭すること早きのみ)(「檐曝雑記」)
今日も暑かったですね。だが、暑いのに体が馴れたと思ったら、明日からは(少しだけ)涼しくなるらしいです。長生きできるかも。

南極老人星(カノープス)は年寄のくせに全天二位の明るさとは。地位もカネも無さそうなのに。
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清の時代のことですが、
陳丈人年百余歳。
陳丈人は年百余歳なり。
陳じいさんは、百歳を超えていた。
周某という知県がこれを招いてお祝いの会を設けた。
席上、
詢其所得。
その得るところを詢(と)う。
どうしてそんな長生きができるのか、秘訣を問うた。
陳じいさんは答えた、
無他、知事遅、回頭早耳。
他無し、事を知ること遅く、回頭すること早きのみ。
「何事も人より遅れて知る。人より早く逃げ出す。それだけですじゃ」
隠された秘術も何も無いんです。勉強になりました。今日はここまでとさせていただきます。
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清・趙翼「檐曝雑記」巻五より。「廿二史劄記」の著者でもある三半老人・瓯北先生・趙翼さまといえば、清朝三大歴史家の一人という最高級知識人であられる。その所感やメモ集である「檐曝雑記」なので短いけど噛み締めて読んでくださいね。
「廿二史劄記」は日本のいろんな著者のタネ本にもなっているというすぐれた本です。無作為に開いてみても「唐代宦官之禍」「元代専用交鈔」(交鈔は為替・紙幣)などそのまま訳すだけでオモシロい読み物になるのは必定です。ちなみに肝冷斎のように一日一話にするには個々の論文が長すぎるので、あまり活用されていません。とはいえ「張全義・馮道」を去年(5月5日)紹介してるのか。全く覚えが無いけどがんばりましたね。
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