7月4日 今日も暑かったですね

得車五乗(車五乗を得)(「荘子」)

熱中症アラート発出! 馬車が無いのでは、こんな日に外出などできないでしょう。新札にお目にかかることなどまだまだできますまい。

前近代的な星座の世界には人件費の概念など無く、御者座は永遠に働かされているのだ。

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戦国の時代、宋の国に曹商という人があって、

為宋王使秦。

其往也得車数乗。秦王説之益車百乗。

「乗」は「四頭立ての馬車」のことです。

馬車百台(とそれに載せた宝物など)を得て宋に帰って来た曹商は、知者といわれる荘周先生のところに来て、言った。

夫処窮閭扼巷、困窘織履、槁項黄馘者、商之所短也。一悟万乗之主、而従車百乗者、商之所長也。

「すごいひとです。すばらしい。こんな人にこそ教えを受けるべきです!ほんとうの賢者だ」
とみなさんは思うかも知れませんが、
「ふーん」
荘子は頷いて、言った。

秦王有病召医。破癕潰痤者得車一乗。

「ほう」

舐痔者、得車五乗。所治愈下、得車愈多。

子豈治其痔邪、何得車多也。子行矣。

王者に気に入られるなどという賤しいことをして、何を喜んでいるのかな?

さて、みなさんは、次のどちら?

①「むむむ、わたしの行為は意味がないというのか」と、悔しがる曹商の顔が目に浮かぶ。

②「あははは、負け惜しみか、荘周」と、嘲笑う曹商の誇らしげな顔が目に浮かぶ。

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「荘子」列禦寇篇より。荘周は経済学的には当たり前のことを言っているだけですよね。しかし、日本では、長いこと、デキモノを潰しても0.2乗、痔を舐めてくれても0,5乗ぐらいの低賃金だったのです。その間にも儲かっていた人がいるのだろうか。いないとしたら、どぶに捨ててしまったのでしょう。

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