往来如飛(往来すること飛ぶが如し)(「觚賸」)
鍛えればここまでできる・・・かも知れません。

おれはヒグマでなくてツキノワグマだから大丈夫・・・という言い訳も通じなくなってきたらしいでクマー。
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清のころの記録なんですが、雲南には「倮儸(らら)族」がいます。
これは、ロロ族のことですよね、と思って調べたら「ロロ」は蔑称なので「イ族」というんだそうで、「イ」は「彝」、これは「夷」と呼ばれていたのを文化や恒常を意味する「彝」に替えてやった、というのですが、全体がギャグではないのか・・・な。「倮儸」と人べんつけてあるだけありがたいと思え、ということでしょう。
さて、清代の倮儸には、「黒」と「白」と二種がいたのだそうですが、
皆多寿。一百八九十歳乃死。
みな多寿なり。一百八九十歳にしてすなわち死す。
どの種族も寿命が長い。180~190歳あたりで自然死する。
至二百歳者子孫不敢同居、舁之深谷大箐中、留四五年糧。
二百歳に至る者、子孫敢えて同居せず、これを深谷の大箐中に舁き、四五年糧を留む。
200歳まで行くと、子孫ももう同居しようとはせず、大きな竹のかごに入れて、深い谷に担いでいき、四五年分の食糧と一緒に置いてくる。
「姥捨て」をするんです。
ところが、
此倮儸不省人事、但知炊臥而已。
この倮儸は人事を省せず、ただ炊臥を知るのみ。
この長寿のロロ族は、人間社会のことについてもう考える必要が無く、ただ炊事と寝ることだけを知っている状態だ。
ここは注目ですね。わたしも炊事と寝ることぐらいしか知りません。ロロ族では200歳にならないと届かない境地にたどりついている、ということでしょうか。
遍体生緑毛如苔、尻突成尾、久之長於身、朱髪金睛、鉤牙銛爪。其攀陟巌壁、往来如飛。
遍体に緑毛の苔の如きを生じ、尻突して尾を成し、これを久しくして身よりも長く、朱髪にして金睛、鉤牙銛爪なり。その巌壁を攀陟し、往来すること飛ぶが如し。
体中に緑の毛がコケのように生え、お尻が突起して尻尾になり、時間が経つと体より(尻尾の方が)長くなるのだ。髪の毛は赤く、ひとみは金色になり、歯はかぎのように爪はもりのようになった。岩壁をよじ登り、行き来すること飛ぶようであった。
どんどん強くなって、
攫虎豹麞鹿為食、象亦畏之。土人呼曰緑瓢。
虎豹麞鹿を攫いて食(し)と為し、象もまたこれを畏る。土人呼びて「緑瓢」と曰う。
トラ・ヒョウ・ノロジカ・シカなどを食べ物にしていた。ゾウもこの倮儸族の老人たちを恐れるという。地元民たちは彼らを「みどりのひょうたん」とよんでいた。
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清・鈕琇「觚賸」正編巻八より。秋田がクマの出没で大変なことになっているみたいですが、クマにも勝てるのかな。
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