何処尋行跡(いずれの処にか行跡を尋ねん)(「唐詩紀事」)
探せるものなら探してみなはれ。うっしっしー。

アケチくん、探せるものなら探してみたまえ!
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週末になりました。
今朝郡齋冷、忽念山中客。
今朝は郡齋冷ややかにして、忽ち山中の客を念えり。
今朝は、(わしの勤める)郡の官舎も寒々として、
ふと山中に棲むあいつはどうしているかと思い出した。
澗底束荊薪、帰来煮白石。
澗底に荊薪を束ね、帰り来たりて白石を煮るならん。
渓谷の底でたきぎを拾い束ね、
持ち帰って仙薬の素となる白い石を煮ているのであろうか。
だいぶん寒くなってきているので、
欲持一瓢酒、遠寄風雨夕。
一瓢の酒を持して、遠く風雨の夕に寄せんと欲す。
瓢箪にお酒を詰めたのを一本ぶらさげて、
風と雨の暗い山中の夕べに届けてやろうかと思うのだが―――
季節は晩秋だったようです。
落葉遍空山、何処尋行跡。
落葉は空山に遍く、何れの処にか行跡を尋ねん。
落ち葉は、葉の落ちた木々の山にあまねく散り敷かれ、
あいつの足跡をいったいどこに探せばいいのか。
ひいっひっひっひ。おまえさんたちに探せるものか。
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唐・韋応物「寄山中道士」(山中の道士に寄す)(宋・計有功「唐詩紀事」巻二十六所収)。そちらにおられるみなさんは羨ましい限りでしょう。たきぎを集めたり、毒キノコや虫を食べたり、ヘビやクマやトラに襲われたり、ダニやアリにたかられたり、山中もたいへんなんです。しかしそちらよりはマシだと思います。
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