5月16日 白いところが栄養たっぷり

噉薤留白(薤を噉らうに白を留む)(「世説新語」)

頭は下げるもの、ニラは根っこを遺すもの、じゃ。

きゅうりだったら残さないでカッパ。

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ためになる・・・かも知れないお話です。

東晋の時代、咸和二年(327)、大尉の庾亮を討つことを名目に、蘇畯が反乱を起こしたんじゃ。この時、長江上流にあった名将・陶侃は、混乱を鎮めるために兵を発し、腹心の者たちに、

必戮庾、可以謝畯。

と漏らしていた。

さて、庾亮は、蘇畯が自分を殺すことを名目として兵を起こしたと聞いて、何とか都・建康から逃げ出そうとしたが、三方を囲まれてしまった。残る一方からは、治安の維持を名目に陶侃の軍が迫っている。陶侃に救いを求めるべきなのだが、陶侃の方針はもうウワサになって伝わってきていた。

欲会、恐見執、進退無計。

すると、友人の温嶠が言った

卿但遥拝。必無他。我為卿保之。

ほんとか?

と突っ込みたくなるところですが、庾亮は覚悟を決めて、陶侃のところに面会に行った。

至、便拝。

陶自起止之曰、庾元規何縁拝陶士衡。

庾亮は黙って拝礼すると、

畢、又降就下坐、陶又自要起同坐。坐定、庾乃引咎責躬、深相遜謝。

「いや、あなただけの責任ということはございますまい」

陶不覚釈然。

頭は下げないといけない、だけでなく、下げるといいことがあるみたいですね。

ところで、

陶性倹吝。

及食、噉薤、庾因留白。

陶侃は目ざとく見つけて、訊いた。

用此、何為。

庾亮は言った、

故可種。

「おお!」

陶侃は、

於是大歎庾非唯風流、兼有治実。

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南朝宋・劉義慶「世説新語」仮譎二十七及び倹嗇二十九より。頭を下げるところまではタメになったかと思います。ニラはあまりタメにならなかったかも。
なお、さっき白ネギ食って美味かった。全部食べてしまったので陶侃さまから「この物価高に!」と叱られるかも知れません。

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