5月14日 知らなくてすむなら知らない方がいいもの

災必及身(災い必ず身に及ぶ)(「觚賸」)

こんな危険なものを扱っているのですぞ。

人生〇〇を知るは憂患の始めなり。

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先贈君曰。

心して聞かなければなりません。

刻之為義、刀豎其側。将自戕也。

「刀豎」(とうじゅ)の「豎」は「豎子」と熟するように、「小さい、こども」のことですから、「刀豎」は小刀。いにしえ、木簡や竹簡に文字を刻んだり、刻んだ文字を削ったりするのに用いた「筆記道具」です。

薄之為言、氷承其下。将自陥也。

この「薄」はおそらく「簿」(ぼ)のことで、「簿」は「帳簿」の「簿」ですが、古くは竹や木の札、すなわち木簡・竹簡のことです。「簿」を「薄」の字で表して、「氷」を縁語で使ったのでしょう。

有一於此、災必及身。可不戒哉。

と、親父が言っていたのですが、この「それ」とは何でしょうか。

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清・鈕琇「觚賸」続篇巻一より。この文章の題名は「字訓」です。「文字についての教え」。文字を操る者、立法者、司法官、行政官、マスメディアのみなさん、その他もろもろの知識人を目指す息子への訓戒でした。文字の力はあまりにも強いので、その災禍を他人に及ぼした後、自分自身に返ってくる・・・かも知れませんよ。知らんけど。

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