7月22日 人生屈指の暑さになってきました。

為妖且久(妖を為すことまさに久し)(「宣室志」)

大暑で暑い。新幹線も停まりました。今日は一仕事終わったのに、もう次の仕事が。もうおしまいだー。こんなに暑いのに会社行く人は変じゃ!長老のわしが言うのじゃ!みな聞くのじゃ!

縄文時代だったら何世代かに一人ぐらいしかいないぐらいの大長老の年齢であるわしが「これほどの暑さは子どものころから経験したことがないじゃ」と嘆くほどなのだ。サカナも茹だって赤くなっていることでしょう。雨の降り方もかっこよく、亜熱帯風になってきました。

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唐のころ、董観という人がいた。以前は僧侶として太原の寺にいたが、太和七年(833)、親族の王生とともに長安に出かけ、夏の暑い盛りに長安南郊の商於の町で一泊した。

舎山館中、王生既寐、観独未寝。忽見一物出燭下。既而掩其燭、状類人手、但指則細。

(クモ? それにしては大きすぎる・・・)

と目を疑いながら、

視燭影外若有物、観急呼王生。生起、其手遂去。

董観は言った、

慎無寝。魅当再来。因持挺而座伺之。

良久、王生曰、魅安在。兄妄矣。即就寝。

すると間もなく、

有一物長五尺余、蔽燭而立、無手及面目。

観呼王生、生怒不起。

独力で戦う必要がある。

観以挺愖其首。其躯若草所綰、挺亦随其中而入。力取不可得。俄而退去。

観はまた来るのではないかと心配して、朝までまんじりともしなかったが、もうそれは来なかった。

明日訪館吏。

管理人が言うには、

此西数里、有古杉。常為魅。疑即所見也。

そこで、

観及王生往尋、果見古杉。有挺貫其枝柯間。

管理人は言った、

此為妖且久、未嘗験其真。今則真矣。急取斧尽伐去之。

(・・・長い間不思議な力を行って来た杉でさえ、正体が明らかになればこうやって消されてしまうわけだ)
董観は思うところがあったのであろう、間もなく還俗して、それからはごく平凡な生活をつづけたという。

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唐・張讀「宣室志」巻五より。相手が意外と弱いので一撃で勝ってしまいました。というかもともと植物だし、大した害は無かったのでしょう。害のない植物が伐られ、SDGsにも損害があったとう教訓かも知れません。
すぐ寝てしまう王生の方に親近感を感じてしまいますねむにゃ。

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