反手跋足(手を反し足を跋す)(「列朝詩集小伝」)
このひとは単に「変なひと」なのでしょうか。

鳥はみんな簡単に飛べると思ってるんじゃなかろうな。
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明末のひと、朱長春は、萬暦癸未年(1583)の進士であった。後、常熟等三県の知事を歴任し、癸巳歳(1593)刑部主事に昇任するも、とある事件に連座して、官員の籍を削られ、民に落とされた。
虞長孺や屠長卿といった文人たちと親しく交わり、彼らと共に
好仙学仏。
仙を好み仏を学ぶ。
道教の教えを好み、仏教の教えを学んでいた。
儒学だけに満足できなかったんです。
罷官里居、修真煉形、以為登真度世、可立致也。
官を罷めて里居するに、真を修め形を煉し、以為(おもえ)らく、登真度世も立ちどころに致すべし、と。
役人を罷免されて実家で暮らしていたが、真の修行をして肉体を作り替え、思うに、真理の世界に昇り、現世からあちわに渡ってしまうことも、あっという間にできるはず、と思うに至った。
今日こそ空に昇るというので、多くの人が見物に来た。
累几案数十重、梯而登其上、反手跋足、如鳥之学飛、以求翀挙、堕地重傷。
几案を累ぬること数十重、梯してその上に登り、手を反し足を跋(ばつ)し、鳥の飛ぶを学ぶが如くして、以て翀挙(ちゅうきょ)せんと求むるに、地に堕して重傷せり。
つくえを数十段重ねて、その一番上まではしごをかけて、登った。その上で、手をひっくり返したり、足をあげて倒れそうになったりした。鳥の子どもは、はじめて飛ぶことを学んでいる姿を真似したのである。そして、空高く昇ろうとして、地面に落ちて大けがをした。
しかしながら、
慬而不死。
慬(わず)かに死せざるのみ。
なんとか死なないですんだ。
よかったですね。
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清・銭謙益「列朝詩集小伝」丁集下より。ここでいう「列朝」とは、「明の代々の皇帝の朝廷」というぐらいの意味です。レオナルド・ダ・ヴィンチみたいなかっこいい道具もつけずに飛ぼうとするから大けがするんですよ。東洋のひとはイカレてる感が強くなりますね。
受験の準備はしっかりして、いつかいい仕事してニャ!