4月22日 怪しからんやつがいて困ります

成斯風俗(この風俗を成す)(「不下帯編」)

よいしょ、と。まずは自分は棚に上がっておいて・・・。

走り回っているとは、怪しからんやつだ。

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わたしの出身は江南の揚州ですが、

揚州者、以其風俗軽揚、故名其州。

といわれるんです。

たしかに、唐の時代、

毎重城向夕、倡楼飲閣之上、常有絳紗灯万数、輝羅耀烈空中。繁華靡麗之風、相延迄今、不甚懸殊也。

それ以来、清の時代の現代まで。千年もそのままなのだ。

所謂、九里十三歩、街中珠翠綺羅、繽紛填咽。

「填咽」(てんえん)は(のどに詰まるように)いっぱい詰められているようす。

このような中で、

軽揚之輩、馳逐其間無虚日。

ほんとに怪しからんですね。ところが、

究其所以、則皆両淮巨商。

揚州の人間ではなかったのです。

鹺業豪盛、較勝両浙、長蘆、河東、以致成斯風俗。其所従来者、夐已。

「鹺」(さ)は「塩」のことです。

揚州出身者が悪いのではなく、淮水付近の商人が悪かったのだと判明しました。みなさんよく覚えておいてくださいね。

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清・金埴「不下帯編」巻五より。怪しからんやつらです。江戸っ子の風上にも置けねえですだ。

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