4月13日 本当の事は言っちゃダメですよ

南面王楽(南面の王の楽しみ)(「荘子」)

このひと、ふざけて言っているわけではないと思うのですが、おもしろいですよね。

おれたちカメは万年の間に考えればいいことでカメ。

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荘子之楚、見空髑髏。髐然有形、撽以馬捶、因而問之。。

「髐然」(こうぜん)は野ざらしの骨のようにからからに乾いている、という意味の形容詞です。ですから、ここでは同語反覆みたいになりますね。

ぽん、ぽん、ぽん。

夫子貪生失理、而為此乎。将子有亡国之事、斧鉞之誅而為此乎。将子有不善之行、愧遺父母妻子之醜而為此乎。将子有凍餒之患而為此乎。将子之春秋、故及此乎。

ぽん、ぽん、ぽん。

於是語卒、援髑髏、枕而臥。

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(おい!)

むにゃむにゃ。

(おい! 起きろ!)

むにゃむにゃ、にゃんですかいにゃ。

(わしじゃ、ドクロじゃ!)

夜半髑髏見夢曰、子之談者似弁士。諸子所言、皆生人之累也。死則無此矣。子欲聞死之説乎。

荘子は言った、

然。

ドクロは言った、

死無君於上、無臣於下、亦無四時之事、従然以天地為春秋。雖南面王楽不能過也。

ええー!!! 会社も仕事も試験も学校も病気もない墓場の鬼太郎みたいな生活ができるんだって!? 

荘子不信曰、吾使司命、復生子形、為子骨肉肌膚、反子父母妻子、閭里知識。子欲之乎。

「司命」は人の生死や運命を司る神さま。楚の地方で信仰されたらしい。

司命神に命令できるとは、荘子はすごい権力を持っていることがわかります。本当にそんなことできるなら。

髑髏深矉蹙額曰。

吾安能棄南面王楽、而復為人間之労乎。

以上、夢から覚めたらどうだった、といった落ちも無く、これでおしまい。司命神には放っておいてもらえばいいのですが、輪廻させられたら困ります。

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「荘子」外篇「至楽篇」より。「よし、じゃあ行くか」とたくさんの人が行きました。わしも振り向いて、「あいつらよりは先に行ってやる」とにやにやしております。輪廻させられないようにしないと。

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