4月1日 わたしはウソは申しません

不可糊塗(糊塗すべからず)(「郎潜紀聞」)

「糊塗」は糊を塗って、「ぼやかす」「ごまかす」「あいまいにする」の意。

ほんとのことばかり言っていると気持ちがいいなあ。

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康煕・雍正・乾隆の三帝に仕え、吏部・礼部・戸部の尚書を歴任、清朝の最高判断機関である軍機処制度を実質的に作り上げたといわれる文和公・張廷玉(最後は乾隆帝に忌避されて失意のうちに亡くなったのですが)の随筆集「澄懐園語」を閲していたら、こんな言葉がありました。

予在仕途久、毎見升遷罷斥、衆必驚相告曰、此中必有縁故。

「縁故」は「わけ」「理由」ぐらいの意味です。

そう言われると、

余笑曰、天下事、安得有許多縁故。

くうううう! けだし名言であろう。

また、雍正帝の腹心で乾隆帝の即位にも関連したといわれる名臣、文端公・鄂爾泰は張廷玉の後輩に当たるが、彼が言ったという有名なコトバ、

大事不可糊塗、小事不可不糊塗。若小事不糊塗、則大事必至糊塗矣。

も、張廷玉「澄懐園語」に書かれて、伝わったのである。

張廷玉の本はタメになるなあ。

ところで、わたくし思いますに、

文端生平識量淵宏、規画久遠、此数語大有閲歴、足以警世之積穀把柁者。

若夫胸無遠猷、疏闊僨事、輒藉口於不拘小節、則転不如謹守縄尺之士、猶不至禍人国而害及蒼生也。

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清・陳康祺「郎潜紀聞」初筆巻十三より。ウソではありません。ひとさま(国民主権)の国で実害を人民にまで及ぼすようにはなりませんように。

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