3月7日 ほんとに明日雪になるかなあ

無逕可登(登るべきの逕(みち)無し)(「快雪堂漫録」)

雪の積もった道なんか出勤できるはずがない・・・「いや、やる気になれば何でもできるぞ」・・・と言われると困りますね。対偶を取ると「何にもできないのはやる気がない」になります。

アリをはじめとする虫たちはおびただしい数がいるのである。「昆虫惑星・地球」と称されるゆえんだ。ほんとうの支配者は虫なのである。

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浙江・処州の仙都山というのは、

高峯抜地千尺、如痩木、無逕可登。

と言われ、仙人の世界に通じる山だという伝説があるのですが、

上有頂湖。三年前、有見白衣人在焉、俄化為雲気而滅。

と、

徐茂呉説。

ちょっと待った。登る方法の無い山の頂で人が消えたのを見た、誰がどうやって見たんですか?

―――と質問があると困りますので、おれではなく徐茂呉に訊け、ということですね。まあやる気があればそれぐらいは見えるんでしょう。

次のお話です。

陳季象が云うに、ある時、舟に乗って直嶋という島に行くことがあった。

その時、

舟子云。

二重に伝聞になっています。おれでないだけでなく、直接の情報提供者・陳季象の責任でも無いことだと言うのです。

村民某家、夏月見火殃如斗大。堕其庭中、滾入室内。

某家ですから、どこの家のことかもわからないようですが、

某急以石臼掩之、擁以土、如覆釜形。

なにがしは、

秘其故、戒子孫無開。

理由を言うと、「火の玉あ? ご先祖のやつ、幻覚かよー、ぶははははは」と嗤われるのがイヤだったのかも知れません。

某死後有物螘而黄、従擁土処出甚多、家人頗以為苦。

そこで、

発臼焚螘、火忽騰上、其家焚焉。

溜まっていたガスが爆発したのでしょう。と考えれば、合理的なお話ですね。

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明・馮夢禎「快雪堂漫録」より。この本はこういう不思議な怪しいお話を話者の情報付きで遺してくれていて、責任者がはっきりしているのが特徴的です。

快雪堂主人・馮夢禎は浙江・嘉興のひと、萬暦の進士、

生平耽慕禅悦、淡於仕進。

晩年にまとめた「快雪堂集」を三十年後に子孫がようやく出版しようとしたが、

工未久即燬於火。

ただ、

今復梓漫録。求嘗一滴水、亦足知大海味矣。(「陸氏識語」)

だそうです。「大海の味を知るに足らん」は、いい宣伝文句ですね。

先生は、南京国史監に長く務め、見たもので印刷に付さなかったものはなかった、といわれるほどの校正・出版マニアでもあったそうです。「快雪堂漫録」は日本での国訳は見たことがありませんが、旧肝冷斎が何話か紹介していたようですね。快い雪ならいいのですが、明日は寒くて積もる雪だそうです。会社行くのムリだろうなあ。しかたがないなあ。

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