有善諛者(善く諛う者有り)
今日は納得の晩飯。後何回、こんな美味いどろどろしたものが食えるのだろうか。

おだてれば、どんどん上がるロケットかな
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世の中には
有善諛者。
善く諛う者有り。
お世辞の上手いやつがいるものなのだ。
北宋の煕寧年間、王安石が丞相として権勢をふるっていたころ、丞相に手紙を送った者があった。
某所恨、微躯日益安健。
某の恨むところは、微躯の日に益々安健なることなり。
わたくしめが恨みに思っておりますことは、わたくしめの取るに足らぬ身体が、毎日毎日どんどん安泰で健康になってしまうことでございます。
なぜ恨めしいことなのか、と言うならば、
惟願早就木、冀得丞相一埋銘、庶幾名附雄文、不磨滅于後世。
惟(ただ)願うは早(つと)に木に就き、冀(こいねが)わくば丞相の一埋銘を得て、名を雄文に附して後世に磨滅せざらんことを庶幾(ねが)わん。
「就木」(木に就く)というのは、木製の棺桶に入れてもらう、すなわち「死ぬ」ことを言います。
わたくしめの願いはただ一つ、早く棺桶に入れてもらい、その際できることならば、丞相さまの墓銘を刻んだ石を一緒に埋めていただいて、その文章のすばらしさが後世に残るのにつき従って、わたしめの名前も磨滅することなく伝わることを期待しているのでございます。
普通の精神でこれを読むと眉をひそめてしまうところなのだが、これを書いたのが、当時広州の太守で、治水や災害に活躍して地方官として名を馳せた程師孟だと聞くと少しびっくりします。さらに、この文を読んだ王安石が感動して、程を高く評価するようになったと聞くと、世の中やはり諛らってみるものだ、と感心してしまうのではないだろうか。
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宋・張師正「倦游雑録」より。程の方が年齢も官歴も十年ほど先輩だというのも感心度が高いのでは。よく心に刻みこまねばなりません。
本日の晩飯はIG氏とやきそばでした。味濃くて美味い。どろどろソースだ。すでに足先がひりひりするとか帰りに歩いてきたら心臓がどきどきするなど健康には問題ありそうですが、総合すればよかったではありませんか。