3月20日 春も半ばを過ぎてもう終わりが近づく

噤不敢問(噤んで敢えて問わず)(「清朝野史大観」)

お彼岸ですが、お墓詣りに行かないだけでなく、おはぎも食べないとは、わしは欧米文化にかぶれた進歩派なのかも。

違うんです!春のお彼岸が「ぼたもち(牡丹餅)」で、秋が「おはぎ(萩餅)」なんです。したがって今日食べるのは「おはぎ」ではない。

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清末に活躍した郭嵩燾(かく・すうとう)は、同治年間に

奉使泰西、頗知彼中風土。以新学家自命。

その彼が、

還朝後、縁事請暇、返湘中原籍。

無事海外から帰って来れたので、「展墓」(お墓参り)に出かけたのでしょう。

時、内河輪船猶未通行、郭乗小輪回湘。

ところが、

湘人見而大譁。

口々に、

郭沾染洋人習気。

と唱え、

大集明倫堂、声罪致討、並焚其輪。

さすがの進歩の郭も、昔の知り合いや友人たちが大挙して火をつけにきたのを見て、

噤不敢問。

観此可見当時内地風気未開之怪象也。

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「清朝野史大観」清人逸事巻七より。墓参りもせずに逃げ帰るとは、どういうことか、西洋かぶれも甚だしい。それに引き換え、おれたち人民はいつも純粋です。カロリーオーバーを気にして食べてなかった牡丹餅も明日食うことにします。あんまり軽視していると、おれたちもそろそろバクハツするかも知れませんよ、うっしっし。

こんなところに肝冷斎が出現しています。下らんことが「気になりませんか」と言ってますが、みんな生活したりメジャーリーグ見たりで忙しいからそんなこと気にしてませんよ。ちなみに、「雄大」の対語は「些小」ではないかという気がしていますが、説明しないといけないことが多そうだし、現代語の語感も違うし言わない方がいいですよね。

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