3月2日 暖かくなって、もう服無くても大丈夫

愧此馬多(この馬に愧ずること多し)(「棲霞閣野乗」)

これまでは「あの人、寒いのに服無いのかしら」と言われて恥ずかしいので心配でしたが、もう春が来ましたから、布袋さんのようなかっこうしてても、何も恥じることはなくなってきました。今日はこんなに暖かかったんだから、まさかもう寒の戻りなんか無いでしょう。

ニンゲンは毛が無いから寒さに弱いでひん。布袋さんのように強くなってもらいたいものでひん。

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道光辛丑年(1841)というので、鴉片戦争のごたごたの時のことですが、

広州。都督陳建升戦死。英兵寇

坐下馬為英軍所得。

だが、ウマは、

飼之不食、棄之、悲鳴而死。

三水の住人・欧陽双南が「義馬の行(うた)」を作って曰く、

有馬有馬、公忠馬忠、公心唯国、馬心唯公、公殲群醜、馬助公闘、群醜傷公、馬駄公走・・・。

めんどくさくなってきたのでここで切ります。

そういうわけで、ご主人もウマも死んでしまったのですが、

今之人靦然衣冠、而甘為紫髯碧眼之奴隷者、愧此馬多矣。

「靦」(てん)は「あつかましい」の意。

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清・孫静安「棲霞閣野乗」巻上より。むかしは外国の人に媚びへつらってはいけなかったのです。昔のひとは、インバウンドで来てくれなくなったらどうするつもりだったんでしょうか。フィンランドの人はどうかな?

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