3月19日 こんなに寒いのではお彼岸は来月かも

開鎖風板(風板を開鎖す)(「水東日記」)

天下に恥をさらしてはいけません。

ヘビは自分のおならを嗅いだりするのだろうか。

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明のころ、本を印刷して刊行することを「開板」と言ったそうです。

章某というひとが、自分の詩集を刊行し、早速、翰林院にいた陳登という人のところに贈呈しに来た。
陳登は最初の数篇を眉根を寄せて真剣に読んでいたが、やがて章に向かって言った、

昔西江士有偕友宿舟中者。

「はあ」

「その時、こういうことがあったそうなんです・・・。

中夜起開鎖風板。

同じ船室に寝ていた友人が、

夜寒何得開板。

と止めさせようとした。

すると、その紳士は答えた、

偶気洩。恐薫及吾友耳。

友人は言ったそうだ、

不開板、薫止於我。開板則薫及多人矣。気洩自気洩、奚以開板為。

そして、章の方をじろりと見て、また言った。

「「へ」をこくのはしようがありませんが、それを「開板」して多くの人にいやな思いをさせては、いけませんわなあ」

と。

もちろん、「へ」を「拙い詩」に、「窓の板を開く」を「印刷する」に引っ掛けてあるのである。

章某は、

頗銜之。

その後、翰林院に差出人不明の当書があり、陳登の日頃の行いが暴露されて、きつい懲罰を受けることになってしまった。

・・・と、臨海の陳璲先生に教えてもらいました。

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明・葉盛「水東日記」巻七より。うっしっし。勉強になりますね。しかも最後は人から聞いた話だ、と突き放すとは、見事なものです。
今度知り合いが書いたものを雑誌に発表するらしいんです。「へ」を世間のみなさまに嗅がせようというのだ、どんなお咎めを受けることになるのか、心配で心配でなりません。これも地域の「へ」のことと考えれば微笑ましい。

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