3月18日 夜は冬のような寒さである

力薄不能(力薄くして能わず)(「剣南詩稿」)

年寄りのくせに世の中のことに口を出すのはどうか、と思っております。おカネか力をお持ちの方ならいいのですが。

わしは、おカネや力はないが寿命だけはたくさんあるぞ。

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わしはもう八十四歳なんじゃ(数え歳)。

大耋年光病日侵、久辞微禄臥山林。

「大耋」(だいてつ)は九十歳のことです。まだ八十四歳ですが、「すごい高齢」の意味でだいたい使っているのでしょう。「年光」は「時間」。

雖無歎老嗟卑語、猶有哀窮悼屈心。

二文字目で切れて対句を作るようです。

なんと。

力薄不能推一飯、義深常願散千金。

でもおカネが無く、力も薄いので仕方ありません。

夜闌感慨残灯下、皎皎孤懐帝所臨。

どうでしょうか。見てないような気がしますが。

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宋・陸放翁「冬夜里中不済者多、傖然有賦」(冬夜里中に済(わた)らざる者多く、傖然として賦する有り)(「剣南詩稿」所収)。「不済」、わたらざる、は「河を渡れない」「生活ができていない」の意。若い人の時代なのでわたしは口を噤んでいようと思うのですが、陸放翁じいさんは書いてしまった。カネも力も無い老害のことばなのでみなさん気にしないでいいと思います。明日も平日で働かねばならないのでしょうから。

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