3月12日 カネのためではないなら、メシかヒト?

為如何人(如何の人と為す)(「何氏語林」)

食べ物だったらどうするつもりだったんでしょう。賞味期限過ぎてても〇年以内なら大丈夫、という人もいるから大丈夫かも。

中から国家を食いつくす。

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元の時代のお話です。

湖広行省の員外郎(臨時の参事官)であった曺鑑、字・克明は「五経」の大義に通じた儒者として令名があったが、管内の麻陽府の主簿(総務部長)・顧淵白というひとから、手紙をもらった。何度か顔を合わせたことはあるが、穏やかな紳士である。

手紙は古典に関する質問で、

因寄辰砂一函。

「辰砂」はいまでいう無機水銀の粉です。美しい赤色を発し、漢方薬の材料になります。おそらく土地の名産の薬を贈ってくれたようである。

質問への見返りに、素朴なお土産をもらった。曺鑑は顧淵白の人柄を思いやりながら、

未及啓封、漫置筐中。

数年を経て、中央から赴任してきた役人が病気になり、

苦無好辰砂。

良質な「辰砂」がなくて困っているとのことであった。

曺はその役人の家人を呼んで、辰砂の箱を示し、

有一故人、嘗以此見恵。尋当奉送。

「古い知り合いがいましてね、以前これをいただいていました。ちょうどいいから、これをご主人にお贈りしましょう」

と言って、

及取視、乃有砂金三両雑其内。

本日の相場を見てみたら、金100グラムの店頭買い取り価格150万円と出てました。

がびょーーーん。

これは現在価値で165万円ぐらいの、所管の上層部への贈答品だったんです。

曺驚歎曰、淵白以我為如何人耶。

すぐに確認すると、

時淵白已没。

「誰か跡を継いだ者がいるだろう」

呼其子帰之。

その間、挨拶の一言もなかったということである。

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明・何良俊「何氏語林」巻三より。曺鑑は後、礼部尚書(文教省長官)にまでなった。カネで動かないとはおかしな人だ、怪しからん・・・などと民意は思っているかも。

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