3月11日 毎年、ここからまだまだ寒いんですよね

叩頭流血(叩頭して流血す)(「清波雑志」)

壊れた後が大事なんです。

いのちの日です。なお、これは「あんまき」ではなく「大あんまき」だ、と愛知の人から教えてもらいました。

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唐の裴行険は、いわゆる出入将相(辺境に出でては将軍となり、宮中に入っては宰相となる)といわれた名宰相ですが、調露元年(679)、西突厥を破り、

得瑪瑙盤、広三尺。

出以示将士、為軍吏捧盤升階、跌而砕之。

「おゆるし、おゆるしくだされ、いや、ころして、ころしてくだされー!」

がつん、がつん。

叩頭流血請罪。

この文章の「眼目」は、この「頭をぶつけて血を流す」部分ではないかと思ったので、ここを標題に使ってみました。確かにこうやって謝るしかありませんよね。ということで、今日の教訓。

では今日はこのへんで・・・

だが、裴は笑って言った、

爾非故為。何罪。

と。

さて、我が宋の大宰相、魏公・韓琦さまは、

得二玉杯、玉盤、觴客次、藉以錦、寘于案。

ところが、

為執事者触案、砕于地。

ヤバイ! 流血して謝るしかない!

だが、韓琦さまは、

非但一時略不変色、竟無追惜之意。

与呂文靖試諸子度量、古今之事、若合符節。

呂文靖公(呂夷簡)の故事、とはこんな故事です。先人が遺しておいてくれててよかったなあ。

実際は、そんな話ばかり集めただけで、頭から血を流していても許せないという人たちの方が多いんだと思いますけど。

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宋・周煇「清波雑志」巻七より。わたしぐらいの関わりでは、3月11日だからといって特別のことを書くわけではないのですが、営々として築いてきたものでもなんでも壊れるのは当たり前、その後が大切なんだと思います。
キリ番同時、もすごいですね。割り札がぴったり合ったみたいな現象です。

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