五勝者禍(五たび勝てる者は禍いなり)(「呉子」)
「孫呉の兵法」の「呉」の方です。あんまり勝ってはいけません、とのこと。

まんじゅう・だんご類の覇者、だいふくもちだ!無敵故に一二個ぐらいで抑えておかないと、カロリーオーバーだ。五個だと一日分のカロリーだ。
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戦国のころ、
呉子曰、凡制国治軍、必教之以礼、励之以義、使有恥也。
呉子曰く、およそ国を制し軍を治むるは、必ずこれに教うるに礼をを以てし、これを励ますに義を以てし、恥ずること有らしむ。
魯出身の戦略家・呉起は、魯を追われて魏にやってきて、文侯に言った、
―――だいたい、すべて国をコントロールし軍隊を指揮するには、必ず(民・兵)を礼儀を以て教えることが必要です。そして、大義を示してエンカレッジすることが必要です。すなわち、民・兵に(礼や義に背いたら)恥ずかしいということとを認識させねばなりません。
夫人有恥、在大足以戦、在小足以守矣。
それ、人に恥有るは、大にしては以て戦するに足るに在り、小にしては以て守るに足る。
そうですなあ、ひとが恥を知るようになると、(言うことも聴くようになり、)大きいことでは戦争することができるようになりますし、小さいことでもその家を守ることができるようになります。
然戦勝易、守勝難。
然るに戦勝は易く、守勝は難し。
しかしながら、戦に勝つことは実にたやすいこと。勝ったことで得た有利さを保つのはたいへん難しい。
故曰、天下戦国、五勝者禍、四勝者弊、三勝者覇、二勝者王、一勝者帝。
故に曰く、天下の戦国に、五勝する者は禍いなり、四勝する者は弊(やぶ)れ、三勝する者は覇たり、二勝する者は王、一勝する者は帝たり、と。
そこでこう言われる。
天下は国と国とで争い続ける真っ最中、(戦を一回起こすのは大変だ。)この中で、五たびも勝ってしまう者は禍いをもたらす者といわれるぞ。四たびも勝つ者は弊(やぶ)れ倒れるといわれる。三回勝つ者は無理に無理して、力づくで天下を従える覇者と呼ばれるだろう。また、二回しか勝たない者は、天下を世襲で治める王者となるであろう。そして、天下を恒久的に治める帝王になるのは、一度しか勝たない者だ。
是以数勝得天下者稀、以亡者衆。
是を以て数(しばしば)勝つを以て天下を得る者は稀にして、以て亡(うしな)う者は衆(おお)し、と。
というわけなので、何度も戦争に勝利を重ねて天下の主となった者はきわめて珍しい。一方、国を失った者はきわめて多い。
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「呉子」巻一「図国篇」より。あんまり勝ってはいけないようです。そう思って、最後に一度で勝つように、と我々は、毎回毎回、力を蓄えて技能を貯めているさいちゅうかも知れません。まだ勝負の時はあるかも。
しかし、やっぱり「スタイルがある」といえるのは布袋さんとかはだかの王さまでしょう。