3月1日 匿名だと春先になるとワクワクニヤニヤ

独足鬼(独足の鬼)(「東軒述異記」)

休日だし、春先でウキウキして来ます。ツキも代わったし、これからはいいことがたくさんある・・・かも。あいつらの鼻を明かしてやることができる・・・かも。だが、実名になった瞬間、ぺこぺこします。
今日は、匿名で楽しいメルヘンでもお話しましょう。うっしっし。

おれたち土偶は縄文時代はたくさん生きていたんだ。いまでは生き残っている個体は数少なくなってしまったけどね。

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清の時代になっても、浙江・富陽の桐盧山中には、

多独足鬼。

地元の人たちは「鬼」(妖怪)ではなく「独脚仙」(一本足の精霊さま)と呼んで、

比戸祀之。

そうしないと、

紗帽綵袍彳亍而来、夜入人家、能魘人至死。

「彳」(てき)「亍」(ちょく)は、「行」の字を二つに分けているだけに見えますが、それぞれ立派な一文字で、「彳」が右足だけで行く、「亍」が左足だけで行く(逆だったかも知れません)、要するに片足だけで歩く姿です。「彳亍」と熟して「よろよろあるく」意味になります。

なんとおそろしいではありませんか。

又能竊人財物飲食。城中亦不能免。

時作老人扶策至人家、夜与人共宿。親而奉之、所求必得、否則為祟。

こんな精霊が本当にいるのか、はじめは疑問であった。

按ずるに、古代の神・夔(き)はすなわち独足鬼(一本足の妖怪)であったという。夔はいろんな神格がありますが、甲骨文字の時代から存在し、有力な氏族の祖先神であるとされたり、猿型の神であるとされたりします。浙江・富陽の「独脚仙人」は、この「夔」の江南地方における生き残りではないだろうか。

「夔」は江西省北部の山間部などには、今でも実在が確認されているのだ。

山魈木客之類也。夔形似人、一足、挟杖能升高嶮、入人室、竊飲食衣服、亦害人。

彼らは、

巣居於木、有匹偶。

豫章諸山多有之、居民見之甚悉。

「ほんとにいたんだ!」

どっとおはらいじゃ。

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清・東軒主人「述異記」巻下より。ああコワかった。最後に「どっとおはらい」をしてくれたので現実に戻ってこれましたが、これをしてくれないと物語の世界に捕らわれたままになってしまうことがあるので、物語を聴くことはあまりにも危険です。現代でも、わたしは若いころカンフー映画を見て、それから何日間かは棒術の練習をしたり「あちょー」と叫んだりする祟りを受けたことがあります。

それにしても夔族の婚姻率がかなり高そうなのには驚きました。子孫の残し方とかいろいろ考えさせられるところがありますね。人魚姫も悩ましい。

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