2月6日 酔っ払いは無事、の定説どおり

灑草之恩(灑草(しゃそう)の恩)(「与物志」)

今日はイヌのお話です。

オロカな飼い主ほどかわいいものでワン。

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晋の太和年間(366~371)のこと、江南・廣陵の楊生(楊くん)は、

畜犬甚愛之、行止与倶。

そんなある日、

生飲酒酔臥草中。時野焼起乗風火烈。

酔っ払いは放っておくしかありません。

だが、

狗周章号喚、生酔不覚。前有坑水、狗走浸水中、還以身水灑生左右草沾湿。

火尋過。

無事でした。

火が過ぎてからしばらくして、

生醒方覚。

「なんか寝込んじゃったなあ、帰るか」

とイヌと一緒に歩きだして、

闇行墜空井中。

「うひゃあ、助けてくれ」

かなり深くて出られません。失敗に次ぐ失敗、ダメ人間だ。

狗呻吟徹暁。

人過恠之、往視見生。

「おおそうか、このイヌはこいつが落ちているのを教えてくれたのか。えらいイヌだなー。それに引き換え、この人は酔っぱらって落ちたんだろうな。オロカな人だ」

楊は井戸の中から言った、

可出我、当厚報。

人は言った、

以狗見与可也。

この「見」は受動を作る補助動詞(~せらる)です。

我不忍与。

若不与不出也。

「困ったなあ」

狗因下頭目井。

(こいつには、なにか知恵があるのだろう)

いつも一緒なので、なんとなくキモチがわかりあえる。

生知意乃許出之。

去後五日、狗夜走帰。

出格生曰、智哉是犬。救主其仁乎。孰謂仁且智而物無之也。

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明・王文録「与物伝」より。えらいイヌですねー。智にして仁とは。え? みなさんもこれぐらいの知恵なら回る? すごいですね、人間なのにイヌ並みの知恵があるなんて。しかし「仁」は無いだろうなあ。

今日は京都からお客さんで、いろいろ教わりました。イヌの十分の一ぐらい知恵ついたかも。

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