2月4日 仕事を三分することも重要である

為三説法(三説の法を為す)(「東軒筆録」)

今日は昔の職場仲間と飲み会。若いころのことを思い出すと、帰りに電車から降りたころから寂しくなってまいりましたが、PCの前でひと眠りしたらちょっと元気に。
そういえば今日のメンバーから、仕事が入ってきたら、1)実は他のひとがやるであろう仕事、2)自分がしなければならない仕事、3)自分がしなければならないが放っておけばなくなる仕事、に分類しなければならない、という「仕事三分の計」を教わったのでした。うまくいけば、達人のわざです。

なんにせよ、三つに分けてみよう。そして、「いい」のと「悪い」のは止めておこう。そうすればたいていの場合、しあわせになる・・・のではないか。ならないかも知れませんが。

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北宋の陳恕は字・仲言、洪州の人である。真宗のころ、専売や収税を掌る三司使となった。

将立茶法、召茶商数十人、俾各条利害。

提出されたアイディアを並べて閲読していたが、やがてこれを区分して、

第為三等。

それから、副使の宋太初に言った、

吾観上等之説、取利太深。此可行於商賈而不可行於朝廷。

利益は生産者、仲買人、消費者、それと国が分配すればいいので、国が儲けすぎてはいかんのだ」

「はあ」

下等固滅裂無取。惟取中等之説、公私皆済。吾裁損之、可以経久。

「なるほど」

於是為三説法、行之数年、貨財流通、公用足而民富貴。

世言三司使之才、以陳公為称首。

後、陳恕は参知政事(副宰相クラス)となり、晋国公の爵位を贈られた。
その後、李諮が三司使になったとき、ずいぶん運送技術や流通範囲も変わっていたので、

改其法而茶利浸失、後雖屢変、然非復晋公之旧法也。

制度を変更したところ、茶専売による財政収入はどんどん減ってしまった。それで、いろいろと手直しをしたのだが、陳晋公の時代のようにはうまく行かなかった。

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宋・魏泰「東軒筆録」巻十二より。むかしうまく行った方法で今もうまく行くわけではないが、もう少し年寄の言うことも聴くといいのに・・・などと愚痴を言い合っていたわけではありません。みなさんまだ若くていろいろ活躍中です。

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