2月25日 東京すごく寒いではありませんか

一偽喪百誠(一偽、百誠を喪う)(「顔氏家訓」)

そろそろ春になったかと思って帰京しましたが、やっぱり寒いですね。なかなか裸で暮らせない。こんなだからウソや偽りが幅を利かせるのであろう。寒いので観タマ記は明日更新します。

我々は誠実に「寒いの最高」と考えているダルマー。

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南北朝の時代のことですが、

吾見世人、清名登而金貝入、信誉顕而然諾虧。不知後之矛戟、毀前之干櫓也。

わかってないんだと思いますよ。

わかってないんだとすると、オロカなことである。むかしの人のコトバを引けば、「孔子家語」(屈節解篇)に曰く、

宓子賤云誠於此者形於彼。

ホントかな?・・・と思うかも知れませんが、

人之虚実真偽在乎心、無不見乎迹。但察之未熟耳。

もし、

一為察之所鑑、巧偽不如拙誠。承之以羞大矣。

わしなら耐えられないぐらいである。

近有大貴、以孝著声、前後居喪、哀毀逾制、亦足以高於人矣。

ところが、

而嘗於苫塊之中、以巴豆塗瞼、遂使成瘡、表哭泣之過。左右童豎、不能掩之。

「巴豆」(はず)は生薬としては下剤に使われ、毒性も強いのですが効き目も強い、という植物ですが、それを絞ってとった油も効果が強く、皮膚をかぶれさせる効力があったようです。真似してはいけません。

このため、ただでさえ疑う人がいたのに、

益使外人謂其居処飲食、皆為不信。

ああ。

以一偽喪百誠者、乃貪名不已故也。

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隋・顔之推「顔氏家訓」第十「名実篇」より。誠実でないことがバレたら一段とまずいようです。教訓としてキモに銘じてくだされよ。中には、わざとバレて「あいつは誠実なフリをしてわたしに気に入られようとしている、愛いやつじゃ」と褒められるという高度な技術の人もいるかも知れませんが、そんなことしてどうなるのか。エンマさまに怒られるよ。

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