奈何錮之(奈何(いか)んぞこれを錮(とざ)す)(「宋稗類鈔」)
花粉かなんかだと思いますが、瞼が腫れて前が見えない。どうせなら目を閉じていれば楽ちんです。うっしっし、仕事もしないからさらに楽ちんだ。閉ざしてしまった方がいいものは他にもたくさんあるかも。

おれたちの侵入・逃走路は閉ざさなくてもいいでちゅー。
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北宋の名宰相・韓億さまのエピソードである。
嘗見天下諸路有職司捃拾官吏小過、輒顔色不懌。
嘗(つね)に天下諸路に職司の官吏の小過を捃拾いする有るを見るに、すなわち顔色(がんしょく)懌(よろこ)ばず。
いつも、各地方において、監察などの役所から役人・小役人のちょっとした過ちを集めて報告が上がってくると、不愉快そうな顔つきになるのである。
秘書官が
「怪しからん役人が多くて、御不快ですか」
と訊いてみると、顧みて、
「まったくだ」
と言う。
「考えてもみろ、
今天下太平、主上之心、雖虫魚草木、皆欲得所。
今天下太平、主上の心、虫魚草木といえどもみな所を得せしめんと欲す。
現在は天下太平のすばらしい時代ではないか。皇帝のお心は、(絶対に)昆虫・爬虫類も魚類も、草も木も、すべてのものが居場所を持って喜んで生きて行ってほしいと思っておられるに決まっているではないか。
仕者大則望為公卿、次則望為侍従職司、其下亦望京朝幕職。
仕うる者、大なれば則ち公卿たらんと望み、次なれば侍従の職司たらんと望み、その下はまた京朝の幕職たらんと望む。
その中で、役所で仕事している者たちは、でっかい希望を持たせれば、宰相や大臣になりたいと思っている。その次ぐらいには、天子のお側に仕える侍従の仕事をやってエライ人たちに認められたいと思っている。それより下のやつらだって、中央政府のスタッフにでもなってみたいと思っているに違いない。
それなのに、
奈何錮之于聖世。
奈何(いか)んぞ、聖世においてこれを錮(とざ)すや。
どうして、そいつらの粗さがしをして、その出世の道を閉ざしてしまおうとするのか。他でもない、このめでたい時代にだぞ。
まったく、こんな報告をしてくるやつらは怪しからん」
ほんとですよねー、わたしの失敗も隠しておいてくれたらよかったのに、と頷きかけたが、あのイヤなやつの仕出かしたことも許されるのかと思ったら腹が立ってくる・・・ではありませんか。え? そんなことないのが普通?
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清・潘永因「宋稗類鈔」巻三より。書名は、「宋代の稗史(民間に遺された記録)から、ジャンルごとに抜き出したもの」の意です。こんなの読んでて何がオモシロいんだ、とみなさん思うと思いますが、わたしも思います。しかしオモシロいものだけで世の中出来てないからしようがないんじゃよ。
この太平の世の中において、生産者側を向いた国会議員の理不尽な行動の粗さがしをするなんて、マスコミの本旨にもとりますよね。しかも少数与党なんだから国会で議論されたら困るじゃないですか。主務大臣がいないんだから政治判断できるわけないし。(←間違いを探してみよう)