2月16日 掘り出すといろいろ出てきてしまう

中有宝物(中に宝物有らん)(「墨余録」)

なんだかわからないものが出てきますよね。宝物のはず・・・がない。

「ひっひっひ、地蔵の腹の中に何が入っているか調べたい・・・」という人もいるかも。

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粤賊(えつぞく)、すなわち「太平天国」軍がが江寧の町を攻め落とした時のこと、壊れた(自分たちが攻める時に壊したんですが)城壁を修理するために、古い石碑を掘り出して材料にしようとした。

江寧は古い町だから、三国時代の碑や六朝時代の碑や唐の将軍の碑やら宋代のやら、

磊磊然幾難悉数。

内有一碑特奇。

高一丈余、闊三四尺、質黒如漆、上鐫一女子、支頤閉目、頸拖白練。下有古篆数字、人不能識。

清末の一丈≒3.2メートル、一尺≒32センチを当てはめて計算します。

女は首を吊っている図なのかも知れません。北京や上海のすごい知識人ならともかく、粤(広州)から流れてきた太平天国のやつらには、古代文字の解読はムリです。

表面の図も不思議だったが、それより、この石碑、

扣之声如鼓、似空其中者。既出而飛鳥咸集。

「ひひひ、こいつは不思議だぜ」「へへへ、何が入ってんのかなあ」

太平天国軍とはいえ元々は荒くれたちの集まりだ。欲望はかなり強いのだ。

賊疑中有宝物。乃以斧撃之、既無所損。鋸亦不入。

くそー。

絶対宝物が入っているのでしょう。しようがないので打っちゃっておいた。すると、

後聞為西国人取去。

此外、又得石獣一。

状如猪、尾大耳小、長約三尺、高二尺許。

石質人工、倶極堅緻。

荒くれたちは中身を見るのが好きなのでしょう、

砕之、腹中五臓皆備。既不知何以置於中、而質重若此、初非供玩之物。更不知其何所用。

とのことであった。

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清・毛奇齢「墨余録」巻七より。チャイナ古代の文明が高度であったということがわかります。ブタ型ロボットを作ろうとして、ほぼ成功していたのでは。動力の発明を忘れていただけかも知れません。

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