2月16日 ダメなやつも期待されてるぞ

誠小人也(誠に小人なり)(「孟子」)

おれはダメ人間だ・・・と思っていても努力させられる。

もはや放浪の旅に出るしかないんだなあ。

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孟子去斉。

孟子は斉の都を去ると、

宿於昼。

昼は斉の西南にある町です。斉の国内からは出ていかなかった。

ここに三泊してから、おもむろに国外に出て、鄒の実家に帰っていった。

この様子を見て、斉のひと尹士は人に語って言った、

不識王之不可以為湯武則是不明也。識其不可然且至則是干澤也。

「干澤」は「澤」(お恵み)を「干」(求め)る、という意味です。

千里而見王不遇故去、三宿而後出昼。是何濡滞也。士則玆不悦。

「・・・などと言っていたらしいですぞ」

高子以告。

孟子は言った。

夫尹士悪知予哉。千里而見王、是予所欲也。不遇故去、豈予所欲哉。予不得已也。

そうでしたか。

予三宿而出昼、於予心猶以為速、王庶幾改之。王如改諸、則必反予。夫出昼而王不予追也。予然後浩然有帰志。

そうでしたか、なるほど。

予雖然、豈舎王哉。王由足為善。王如用予、則豈徒斉民安、天下之民挙安。王庶幾改之、予日望之。豈若是小丈夫然哉。

そうかも知れませんなあ。

諫於其君而不受則怒、悻悻然見於其面、去則窮日之力而後宿哉。

「悻悻」は怒りの心。

なるほど。

「・・・と、君のことを言ってたぞ」

尹士は(誰かから)これを聞いて言った、

士誠小人也。

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「孟子」公孫丑下篇より。これを読んで、北宋の程先生(兄の明道先生であろうか)が言った、

小人小丈夫、不合小了。他本不是悪。

以上は「程子遺書」巻六より(「近思録」改過及人心疵病篇所収)。みなさんもダメ人間のままではいけません。努力しないといけないらしいですぞ。

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