繭之性卵之性(繭の性、卵の性)(「韓詩外伝」)
この二年で、どう考えても生活レベル落ちたんですが、まあいいか。資本主義やめたし。(←治安維持法でしょっぴかれる?)

かつてサンマが開かれてない時代があったとは。
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漢の時代の考えでは、
繭之性為糸、弗得女工燔以沸湯抽其統理、則不成為糸。
繭の性は糸為れども、女工の燔して沸湯を以てその統理を抽くを得ざれば、即ち糸たるを成さず。
「まゆ」の本体は糸なのだが、女性職人が火にかけた熱湯に(それを)入れて煮て、紡ぎ出しの糸口を見つけて引っ張り出さなければ、糸にはならないのである。
現代のようにサンマが開かれて泳いでいるような時代ではなかったのです。
卵之性為雛、不得良雞覆伏孚育、積日累久、則不成為雛。
卵の性は雛なれども、良雞の覆い伏して孚育するを得ざれば、積日累久して、すなわち雛と為るを成さず。
「鶏卵」の本体はヒナなのだが、ちゃんとしたニワトリがその上を覆って座り、大切に育てなければ、何日経ってもヒナにはならないのである。
鶏卵も高くなりましたよね。わたしが気づくぐらいだからかなり高いんだと思います。でも、まあいいや。
さて、
夫人性善、非得明王聖主扶携、内之似道、則不成為君子。
それ人の性は善なれども、明王聖主の扶携を得るにあらざれば、これを内にして道の似(ごと)きとても、君子たるを成さざるなり。
この人間の本体は善なのだが、知恵ある王さま・聖性あるお方さまたちがお助けくだされなければ、その内面は道を理解しているようであったとしても、君子とはなれないものだ。
ここまでは「淮南子」泰族篇にもほぼ同じがあるそうです。
「詩経」にいうではないか、
天生蒸民、其命匪訦。靡不有初、鮮克有終。
天、蒸民を生ずるに、其命訦(しん)ならず。初め有らざる靡(な)きも、克く終わり有ること鮮(すくな)し。
お天道さまは多数の人民を生み出したが、
彼らに与えた運命は信頼できるものではない。
(何物であったも)最初の時はいつもあるが、
終りまできっちりとあることは少ないのだから。
と。(「大雅」蕩篇)
言惟明王聖主然後使之然也。
言う、これ、明王・聖主の然る後にこれをして然らしむるなり、と。
この言葉の意味は、(本体である善は放っておいても為し遂げられるものではなく、)知恵ある王さま・聖性あるお方さまたちがそのように(助けて)くれて、それでやっとその人はそれ(君子)になれるのだ、ということである。
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「韓詩外伝」(巻第五)より。もしえらい人が「明王・聖主」なら、われわれが今一人前に生きていられるのも、えらい人のおかげですね。違うと思うけど。
・・・今日の国会で、生鮮食品は季節値が違うので物価統計に使ってなかったんだそうですが、これからは使います、と日銀の偉いひとが言ってたそうです。毎日のスーパーは一年で倍(体感)、コメは三倍(事実)、だけどインフレ率は2パーセント(統計)、の「からくり」はこれなのかな?