2月1日 心身に問題が出てきてるんです

老而能学(老いて能く学ぶ)(「梁渓漫志」)

目も弱くなりまして、頭も・・・もうダメじゃ。

スカっと刃で斬っちゃうよ。

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魏武侯・曹操がこんなこと言うているそうです。

老而能学、惟吾与袁伯業。

袁伯業は曹操のライバルであった袁紹の従兄であった袁遺のこと。若いころからの友人であった。

さて、このエピソードを読んで、蘇東坡が言った、

此事不独今人不能、古人亦自少也。

と。

一方、蘇東坡は先輩の文彦博に著書を贈った送り状の中で、

就使無取、亦足見其窮不忘道、老而能学也。

と言っている。

ということは、現代人では自分一人だけが老いても学んでいる、と思っていたのだろうか。

それはさておき、

予竊謂、年歯寖高而能留意于学、此固非易事、然于其中亦自有味。

蓋老者更事既熟、見理既明。開巻之際、迎刃而解、如行旧路而見故人。所謂温故知新者。

ホントにそんなうまくいきますかね。

人于少年読書、与中年、晩年所見各不同、其作文亦然。故老而能学、蓋自有以楽之也。

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南宋・費兗「梁渓漫志」巻五より。みなさんは如何ですかのう。わしはもう・・・。だいたい、老いて事を更ること既に熟す、とか、理を見ること既に明らけし、なんていうことはありません。どんどん何ごともわからなくなってきております。

「温故知新」は問題ないと思いますので、「迎刃而解」の方について補足しておきます。

「迎刃而解」(刃を迎えて解す)は、「晋書」巻三四・杜預伝に出てくるコトバです。
・・・準備の整った晋軍が長江を下って呉を攻めた時、緒戦の好調に関わらず最終決戦をなおためらう群臣らに対して、軍師の杜預が言った。

今兵威已振、譬如破竹数節之後、皆迎刃而解、無復著手処也。

短いコトバの中で、「破竹の勢い」と「刃を迎えて解く」、二つの故事成語が覚えられました。

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