高枕石頭眠(枕を高くして石頭に眠る)(「唐詩選」)
石頭のやつは眠りやすいであろう。

夏になるとこんなやつらが現われるぞ。
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みなさんは今日も寒いところで暮らしているんですかな?
偶来松樹下、高枕石頭眠。
たまたま松樹の下に来たり、枕を高くして石頭に眠る。
「石頭」は「石そのもの」で、「頭」は突き出しているものを意味する接尾辞ですから、「いしあたま」ではありません!
ここまで来たら松の木があったんで、こりゃいいわい。
と、石の上で枕を高くして眠っていたんじゃ。
いつも枕を持って歩いているのでなければ、頭の当たるところが高くなっていて眠りやすかったんでしょう。
―――おまえさんはたいへんな年寄のようじゃが、年はいくつかな?
山中無暦日、寒尽不知年。
山中には暦日無く、寒尽くれど年を知らず。
わしは山の中で暮らしているが、山の中には(国家が定める)暦というものがないんでのう、
寒さが止んで春になる季節の変化はわかるが、「年」などというものは知らん。
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「唐詩選」巻六より太上隠者「答人」(人に答う)。質問に対して少しずれた回答になっているので、大臣の国会答弁みたいになってて味わい深いです。
わたしももう太上隠者の弟子にしてもらったので、大唐帝国の正朔も奉じずに山中で暮らしています。今日は暑かった。もう夏かなあ。正月休みはまだですかのう。