有大本領(大本領を有す)(「楡巣雑識」)
そんな人あんまりいませんよ。

うどんも眠ったふりして意外とカロリー高い。
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清の時代のひと、羅仙塢先生の語に曰く、
人之有大本領者、必沈静。
人の、大本領有る者は、必ず沈静なり。
本来持っている力や意識が本当に大きな人は、必ず沈着で物静かである。
眠鷹伏虎、発不可当。
眠る鷹、伏せる虎、発すれば当たるべからず。
眠ったようにしている鷹。寝そべっている虎。彼らが動き出せば、もう止められない。
と。これは含蓄のあるコトバであり、先生の学問の正しさを偲ばせる。
福岡と兵庫のやつも危険ですからね。
羅先生の言葉で思い出すのは、宋の方勺が「泊宅編」で、「裴氏新書」なる書の語を引いて、
虎豹無事、行歩若不勝其躯。鷹在衆鳥之間、若寝寐然。
虎豹の事無きは、行歩その躯に勝えざるがごとし。鷹の衆鳥の間に在るは、寝寐のごとく然り。
トラやヒョウは、何も無いときには、まるで自分のからだを支えるのも面倒くさそうに歩いている。鷹が他の鳥たちと一緒にいるときには、眠っているように身動きもしない。
それが、獲物を見つけると、激しく、時に残虐に動くのである。
蓋積怒而後全剛生焉。此越人滅呉之道也。
蓋し、積怒にして後、全剛生ずるなり。これ、越人の呉を滅ぼすの道なり。
つまり、怒りを貯めに貯めた後に、最大の強さが現われるのだ。これは、戦国の時代、越王句践が臥薪嘗胆して呉王夫差を攻め滅ぼしたのと同じ方法論である。
と言っているのを思い出した。
諸君、もうお分かりであろう。
噫。浮噪浅露者、烏可与言作用哉。
噫(あい)。浮噪・浅露なる者、いずくんぞともに作用を言うべけんや。
ああ! 浮かれ騒ぎ、浅はかで露のように短絡的なモノどもとは、どうしてともに人生の事業を語ることができようか。
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清・趙慎畛「楡巣雑識」下巻より。すみません。どうぞ人生の事業は別の人と語り合ってくだされ。わたしは鷹のように眠って過ごしておりますので。鷹では無くて、あくまで「ように」です。さて、今日はどこで眠っているのかな?