12月18日 岩石のような精神力があれば

磨鉄杵(鉄杵を磨く)(「方輿勝覧」)

やる気も根気も無いのにだんだん寒くなってきて困っております。

やる気や根気が無くても才能があればいいのでは?

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四川・眉州に象耳山という山があり、

山下有磨鍼渓。

相伝李太白読書山中、未成、棄去。

山を下りて来て、

過小渓、逢老媼方磨鉄杵。

「ばばあ、何をしているんですか」

と問うたところ、ばばあは言う、

「何百年もかかるのでは・・・」

と言いかけて、

太白感其意、還、卒業。

なお、

媼自言姓武。今渓旁有武氏岩。

のだそうです。ばばあは、鉄杵を削っているうちに、ついに岩となったのであろうか。

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宋・祝穆「方輿勝覧」より。鉄のキネをどこから持ち込んだのか、ということを合理的な知性で検討していくと、ばばあも李白ももう少し楽ができるような気がするのですが、李白ではムリか。なお、「方輿勝覧」はチャイナ各地(南宋の版図内に限定)の地名と、その土地に関わる伝説や古記録・詩などをまとめたもの。その土地の産業構造や人口が書かれているような近代的な地理書ではありません。ちなみに、著者の祝穆さんは、朱子の親戚でかつ弟子という人です。

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