満巻才子詩(巻には満つ才子の詩)(「寒山詩」)
今晩はお好み焼き食べてきました。久しぶりで飲み会。

満ち足りているなら、おれたちにも寄こせ! とおそろしい妖怪軍団がやってくるカモ。
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満巻才子詩、溢壺聖人酒。
巻には満つ才子の詩、壺には溢る聖人の酒。
巻物にはすぐれた詩人の詩がいっぱいじゃ。
壺からは聖人の心のように清んだ酒が溢れ出るぐらい。
富貴を目指す人はともかく、わたしなどにはたいへん満ち足りた状況です。
満足しながら、
行愛観牛犢、坐不離左右。
行きて牛犢を愛観し、坐して左右を離れず。
出かけて行ってかわいい子牛を見つけた。
戻って座っても左右を離れていかない。
「子牛」は悟りにつながる叡智かなんかの譬喩だと思います。知らんけど。
そうこうしているうち、夜になった。
霜露入茅檐、月華明瓮牖。
霜露は茅檐に入り、月華は瓮牖に明るし。
「瓮牖」(おうよう)は、甕の口のふちを壁にはめこんで窓にしたもの、でみすぼらしい家の形容です。
露や霜が茅葺きの軒端から中に入り込んでくる。
月の光が甕のふちを利用した窓から射しこんでくる。
貧しい生活であるが、何かに束縛されることはない。
此時吸両瓯、吟詩三両首。
この時両瓯を吸い、詩を吟ずること三両首なれ。
この時、(清み酒を)お銚子二本ぐらい飲み、
巻中の詩を二首・三首ぐらい、声を上げて詠んでみよう。
ここに真の自由の境遇があるのではないか。
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「寒山集」より。わたしも、そこにあると思いますよ。ただ、今日はお好み焼きと焼酎で腹苦しく頭痛いので、自由の境遇は明日また味わうことにいたします。