11月7日 緊張感失うと自ずとニヤニヤする

斬爾者誰(爾を斬る者は誰ぞ)(「明語林」)

間違っても、ホントのことを予言してはいけません。

おろおろとヘタな占い師のふりをしておらねばなりませんぞ。わたしなど、まわりのみなさんにオロカ者だと思い込ませきっているのだ。

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明の時代のことですが、韓雍という役人が両広総督(廣東・廣西両省の総督)になった。

この時、広東にものすごく当たると評判の占い師がいた。

韓は、この占い師が、

懼惑衆、命斬之。

さすがは東洋のお役人です。

白洲に引き立てられてきた占い師を見て、韓はにこにこしながら言った、

知斬爾者誰。

占い師ならわかるであろう? ん? どうじゃ?」

占い師はやはりにやにやしながら言った、

緋衣人。

「よし」

韓雍は首斬り担当の役人に、

命更白衣、斬之。

「着替えたら、こいつを引き出して、民衆の前で公開処刑にせよ!」

「はは!」

しばらくして、死刑が終わりました。

首斬り役が、占い師の首を台に載せて持ってきた。

「ごくろうであった」

そして、何の気無しに首斬り役に訊いた、

「お前の名は?」

人斬り人は答えた、

裴姓也。

「はい?「裴」?・・・「緋」色の「衣」か!!!!!!」

その瞬間、

と台の足が外れて、首がごろごろと転がり落ち・・・地面の上で、にたりと笑った。

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清・呉粛公「明語林」巻十「術解篇」より。お役人の引き攣った顔など想像されて、写実的ですね。

わたしももうすぐ首切られます。最後に「にたり」と笑ってやりたいものですが、この老いぼれの口がそううまく動きますことか。

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