11月28日 当たり前のことは記録されない

無可異者(異とすべきもの無し)(「鐙窗瑣話」)

変な人だと思ったが普通だった人も時々いますが、普通だと思ったら変な人だった方がずっと多い。

つぼに住んでいるタコは普通だが、つぼに住んでいる人間がいたら記録に残るかも。

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清の時代、浙江・嘉興のひと、

陳板橋錦、東方三異人之一也。

他の二人のうち、一人は姚鉄生。もともと読書人として科挙試験を目指していたらしいのですが、突然筆硯を放り出して、

嘗従軍有功、授職武官、以酒失事。幾獲罪、踉蹌万里徒歩而帰。

至襪爛於足、翦不可脱。

それでいつも足にぼろ布を巻いて歩いていたので有名だった。

一為某、亦書生、家故饒、人見其衣、襤褸如丐。不与世接、不知其中如何。

もう一人が陳板橋先生である。

板橋刻有蘭芳堂集、詩和平無可異者。

〇道親物自疏、真隠離塵俗。(陸魯望故居)

〇菜甲緑斉野、桃花紅満村。(春日田家)

〇掩巻窗前人独坐、挑灯簾外月微明。(秋夜聞蛩)

〇一種秋声聴不得、凄涼閑話半閒堂。(過葛嶺)

など、人柄を知らなければ、たいへん温和な人と思ったであろう。

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清・于源「鐙窗瑣話」巻一より。よっぽど有名な人だったらしく、行動や性格については何も書いてないんです。あとの二人から類推してみるしかありません。

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