10月5日 居眠り運航だ、ふがふが

甘寝休息(甘寝して休息す)(「松窗百説」)

職場には「なんでこの人、毎日昼間はぶうすか寝ているんだろう」と思っている人もいるかと思いますが、睡眠障害なんでしようがないんです。ああ昼間あんなに寝ても、眠い眠い。

並んで行けば安定するにゃー。

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今は宋の時代ですが、昔のひとがこんなことを言っています。

方舟而済於河、有虚船来触舟、雖有褊心之人、不怒。

ところが、

有一人在其上、則呼張歙之。一呼而不聞、再呼而不聞、於是三呼邪、則必悪声随之。

向也不怒、而今也怒。

これでわかったであろう、

人能虚己以游世、其孰能害之。

と、「荘子」山木篇に書いてあります。勉強になるなあ。肝冷斎が今みたいに空っぽになってしまったのは、この教えのせいもあるんでしょうなあ。

だが、昔はそれでよかったかも知れんが、今は宋の時代だ。

夫三呼不聞、彼必甘寝休息、不謹不虞、而任其船。

いいですねー。わたしも昼間、「甘寝休憩」していることが多くてシアワセです。その時間は。

しかし、船の進路に責任を持ちながら「甘寝休息」しているとは何と怪しからんのであろうか。

今山野之肆意直行、動触忌諱而忤於物、或責之則曰、我本無心。

是猶甘寝休息而任其船。則不得悪声者鮮矣。

そこで知った、

学無心者、必知其所以無心則与聖賢同。若以為木石、則未知其可也。

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宋・李季可「松窗百説」より。この本はなんとなく教訓になりそうなお話を集めてあって、紹介したくなってくるんです。が、結論が全くおもしろくないんです。「荘子」の「虚舟の喩」は勉強になりますが、李先生の解説は「あたりまえだよ」「え? そんな結論でいいの」といつもいつもガッカリしてしまう。ご紹介するのも気が引ける、ぐらいなのですが、あえてご紹介してみました。どうぞ嘲笑ってやってくだされよ。

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