10月30日 失敗を克服するすごい精神力

読書五失(読書に五失あり)(「茶余客話」)

われわれはそんなところまで行ってませんから安心です。

おれたちヒドラはばらばらにされても生き返ることができるが、失敗を克服するには精神力がいるので難しいぜ。

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元の清容居士・袁桷(1266~1327)は、成宗ボルチギンテムールの大徳年間に請われて元朝に仕えたひとであるが、

湘江世族、受業王深寧之門。

朱子学の立派な人なんです。

彼が、

少時読書有五失。

と言っています。

泛観而無所択。其失博而寡要。

好古人言行、意常退縮不敢望。其失懦而無立。

纂録故実、一未終而屡更端。其失労而無功。

聞人之長、将疾趨而従之、輒出其後。其失欲速而好高。

喜学為文、未能蓄其本。其失又甚焉者乎。

「甚焉者乎」を「焉(こ)れより甚だしき者あらんや」と読んでみました。ここは、「孟子」滕文公上の孟子のコトバ、

上有好者、下必有甚焉者矣。君子之徳風也、小人之徳草也。草上之風必偃。

「甚焉者矣」を反語にして使ってるんです。

かっこいい文章を学んではいけません。

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清・阮癸生「茶余客話」巻七より。わたしどもは、そんなに立派な読書しておりませんので、読書による失敗も成功も無いのですが、しかも清容居士はこれを「若い時」の失敗と言っている。ということは、歳を取ったらこれを克服したのである。

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