10月24日 グローバリズムは人間よりも猛

蛇鼠之類(蛇鼠の類なり)(「東坡志林」)

何処に逃げようかなー。

小動物いじめに関しては、ヘビやネズミよりもおれたちを忘れてもらっては困るニャぜ。

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宋の時代のことですが、

吾昔少年時、所居書室前、有竹栢、雑花叢生満庭。衆鳥巣其上。

当時、おふくろは、生き物を大切にしろとうるさかった。それで、

児童婢僕皆不得捕取鳥雀。数年間皆巣於低枝、其鷇可俯而窺也。

「鷇」(こう)は、鳥のヒナ。ニワトリのヒナ(「雛」)ではなく、ツバメやスズメのような小鳥のヒナです。

普通の鳥だけでなく、

又有桐花鳳四五、日翔集其間。

此鳥羽毛至為珍異難見。而能馴擾、殊不畏人。閭里間見之、以為異事。

この鳥には五色の羽があるのだそうです。クジャクはさすがに四川にはいないので、キジの雄のかっこいいやつなのでしょう。

此無他、不忮之誠、信于異類也。

野老(いなかのじじい)が言うには、

鳥雀巣去人太遠、則其子有蛇鼠狐狸鴟鳶之憂。人既不殺、則自近人者、欲免此害也。

じじいの言うことですが、否定することもできません。

つまり、

異時鳥鵲巣不敢近人者、以人為甚於蛇鼠之類也。

・・・ということで、幼いころの回想は終わり。現実に戻って申し上げさせていただく。

人間の方がドウブツよりも性質が悪いのだ。

苛政猛於虎、信哉。

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宋・蘇東坡「記先夫人不残鳥雀」(先夫人(死んだおふくろ)の鳥雀を残せざるを記す)(「東坡志林」所収)。幼いころの思い出をもとにして、人を迫害する新法党への怒りを表現しております。

苛政の話もしておきますね。

孔子過泰山側、有婦人哭于墓者而哀。夫子式而聴之、使子路問之曰、子之哭也、壹似重有憂者。

孔子はえらい人なので、おばちゃんと直接話しすることは無いので、以下の会話も間に子路が入って右往左往しているはずです。

而曰、然。昔吾舅死于虎、吾夫又死焉。今吾子又死焉。

夫子曰、何為不去也。

曰、無苛政。

ああ。

夫子曰、小子識之。苛政猛于虎也。

「礼記」檀弓下篇より)

ホントですよね。おまけに道義も方向性も無い、とかなったら・・・。なんとか方針演説聞いてないけど後で確認しとくか。

それにしても、猛とか虎とかおばちゃんとか、これは関西かも知れません。

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