10月22日 今度はもう寒くなってきました

人生非金石(人の生は金石にあらず)(「良寛詩」)

秋が深まってまいりました。

おれもこつじきの旅に出るでカメ。ゆっくりと。

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我が国でのことですが、

八月涼気至、鴻雁正南飛。

今年はほんとに暑かった。涼しくなってきましたので、

我亦理衣鉢、得得下翠微。

乞食行脚に行くんです。

野菊発清香、山川多秀奇。

「放浪など止めておけ」
とおっしゃるが、

人生非金石、随物心自移。

誰能守一隅、兀兀鬢垂糸。

「兀兀」(ごつごつ)は「山のように寝転がっている姿」です。

わたしもそろそろ自由の天地に向けて出かけようと思います。

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本朝・大愚良寛「詩集」より。秋になると収穫も始まるので、われら放浪者にはありがたい季節だ。夏は暑かったしなあ。

人生金石に非ず、はチャイナ漢代の「古詩十九首」に出て来る言葉です。ついでに紹介しておきます。

廻車駕言邁、悠悠渉長道。

人生の目標は遠いのです。

四顧何茫茫、東風揺百草。

ああ。

所遇無故物、焉得不速老。

盛衰各有時、立身苦不早。

人生非金石、豈能長寿考。

奄忽随物化、栄名以為宝。

「栄名を以て宝とする」というのが少しわかりません。もうちょっと後世になればそんなもの宝にもならない、と否定されることになると思います。

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