10月14日 どこで毒づいているのか

殺人不見血(人を殺すも血を見ず)(「鶴林玉露」)

これは得意です。お任せあれ。・・・という人もいると思いますよ。

おれたちと違って舌先の毒はじわじわと効いてくるのだコ。震えて眠れでコ。

・・・・・・・・・・・

宋の時代なんですが、

世伝聴讒詩。

その歌に曰く、

讒言謹莫聴、 讒言は謹んで聴くなかれ、
聴之禍殃結。 これを聴けば禍殃結ばる。

君聴臣当誅、 君聴けば臣正に誅さるべく、
父聴子当決、 父聞けば子まさに決さるべく、
夫妻聴之離、 夫妻これを聴けば離れ、
兄弟聴之別、 兄弟これを聴けば別れ、
朋友聴之疏、 朋友これを聴けば疏し、
骨肉聴之絶。 骨肉これを聴けば絶ゆ。

堂堂八尺躯、 堂堂たる八尺の躯も、
莫聴三寸舌。 聴くなかれ三寸の舌を。

舌上有龍泉、 舌の上には龍泉有りて、
殺人不見血。 人を殺すも血を見ざりき。

なかなかいい詩である。

不知何人作、詞意明切、類白楽天。

・・・・・・・・・・・・・

宋・羅大経「鶴林玉露」丙篇巻六より。予定稿なんですが、うまくアップできたでしょうか。(肝冷斎は今頃、どこをさ迷っているのであろうか。どうせままならぬこの世のことに毒づいているに違いないのだが)
もしかして、讒言と国民分断やポピュリズムは同じ構造かも。そんなことになったらテレビもユーチューブも見られませんから、まさかね。

ホームへ
日録目次へ