1月17日 毎年この時期一番寒いですね

読書灯在(読書灯在らん)(「列朝詩集小伝」)

夜中に火が必要になる時もあります。

あぶらほしいんにゃ。

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明の都穆、字は玄敬は呉県の人、弘治己未(1499)の進士、年五十四にして致仕した。

帰老之日、斎居蕭然、日事讐討、或至乏食。

「讐討」は「あだうち」ではありません。二つのものを比べて戦わせる、本の校訂をすることです。

すると、いつも笑って言うのであった。

天壌間、当不令都生餓死。

そして

一日晏如也。

あるいはこんなことがあった。

呉門有娶婦者、夜大風雨滅燭。

「これはいかん」

偏乞火無応者、雑然曰、南濠都少卿家有読書灯在。

そこで、

扣其門、果得火。

其老而好学如此。著述甚富、文筆平衍、詩尤単弱不成家。

そういう風流なだけではなかった人です。

余聞之故老。

わたしは、自分も呉県の出身である。こんなことを長老たちから教えてもらった。

玄敬少与唐伯虎交、最莫逆。

唐伯虎は、「風流天下第一才子」とも謳われた明代中期の大文人です。

ところが、

伯虎琑院得禍、玄敬実発其事。伯虎誓不与相見、而呉中諸公皆薄之。

玄敬其没也、不請銘於呉人。

密告者の影を持つ人だったのである。

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清・銭謙益「列朝詩集小伝」丙集より。明代(「列朝」とは明の各代の皇帝の時代、の意)の詩人たちの伝記を集めたもの。都穆の立場、同情してしまいます。わたくしも友だちいませんので身に詰まされます。

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